スピリチュアル系セミナーでよく出てくる言葉に、
「あなたのお金は既に宇宙銀行にあります。」
というものがあります。
宇宙に無限の豊かさを蓄えられる口座を誰もが持つことができ、そこから必要なときにお金を引き出せる、というものです。
ただ、この言葉を自分の都合のよいように解釈してしまうと破産に向かいます。
例えば、宇宙銀行にお金があるんだから、今お金が足りなくてもセミナーに参加してしまえ、といってかえって借金が膨らむ、
というケースです。
ここでは、
宇宙銀行の正しい解釈の仕方、
スピリチュアルに使う正しいお金の使い方
について解説します。
宇宙銀行とは?
Webで宇宙銀行、
と検索すると、様々な方が解説されています。
物質としてのお金を預けたり下ろしたりするのがいわゆる銀行口座、
それに対して、徳を積むことによって目に見えない形で豊かさを宇宙に貯金する場所が宇宙銀行。
宇宙銀行は誰もが持つことができ、無限の豊かさをたくわえられる。
本人に必要なときに必要なタイミングでお金が与えられたり、プレゼントが来る、
という感じです。
具体的にはあるセミナーに参加する費用が5万円だったとして(そこそこ高いセミナー)、どうしても参加したいんだけどお金が足りない。
が、知り合いの親戚のおばさんが偶然にも、「この5万円で何かいいものを買いなさい」
といって、5万円が入ってきてセミナーに参加できた。
等。
こういう話は実際に友人、知人から聞いたことがあります。
そして起こりえることだとも思います。
人に親切にする(見返りを期待しないで純粋な気持ちで)こと。
人に喜びを与えること。
困っている人をサポートすること。
必要だと思われる知恵や情報を与えること。
・・・
等によって徳が積まれ、宇宙銀行に豊かさ(お金は豊かさの一つ)がたくわえられる。
そうすると、
「24時間いつでも宇宙銀行からお金を引き出せる」
「必要なときにお金が入ってくる。」
というわけです。
いわゆる引き寄せの法則にも通ずるものがあります。
自己啓発系だと、宇宙銀行という言葉ではなく、運、がよくなる、
という表現に近いものと思います。
目に見えないことなので具体的に証明することはできませんが、逆に、普段から人に意地悪をしたり、自己中心的にふるまうことで人間関係が悪くなり、運も下がる、ということとは正反対の生き方、在り方によって宇宙銀行に貯金がたまる、というわけです。
一方、この言葉を自分の都合のよいように解釈するのも危険です。
よくありがちなのが、宇宙銀行にお金がたくわえられるんだったらいくら使ってもそのうちにお金が入ってくるだろう、
と安心してしまい、散財し、すっからかんになってしまう。
それだけでなく借金がさらに増えてしまう。
宇宙銀行からお金がおりてきますよ、
というのは、棚からぼたもち、のように何もしなくても目の前にお金があらわれる、
というわけではないです。
重要なのは、日頃から何かポジティブな行動をすることが必要です。
もう一つ重要なのは日常でのお金の収支バランスを持つこと
です。
月々の収入が20万円だとして、30万円のセミナーに参加すれば確実に借金ができます。
そんなに高額なセミナーでなくても、1万円のものを10回以上出続けていれば生活に必要なコストを除けばそのうちに生活費が足りなくなり、借金せざるを得なくなります。
こうなると宇宙銀行云々、というのとは話が別です。
スピリチュアル系だとありがちですが、宇宙銀行に貯金ができている、と思って日常での金銭感覚が狂ってしまうことがあります。
繰り返しますが、日常でのお金の収支バランス、
を意識することもものすごく大切です。
スピリチュアルに使うお金は月々の生活に支障をきたさない程度に!宇宙銀行、という言葉はあてにしないこと!
スピリチュアルセミナーに参加しようとするとき、あるいはヒーラーに相談しようとして、お金が足りないことを告げるとよく言われることが、
「あなたがこうして参加しようと思うことは、あなたが上の存在から導かれているからです。
思い切って申し込むことであなたの人生が変わるチャンスが今なのです。」
「今お金がなくても宇宙銀行には必要な分が用意されています。決心すればお金の用意ができますよ。」
そして、実際の体験談も交えながら(参加を決心したら丁度、臨時収入が入ってきて参加することができた、等)それを証明しようとします。
心が弱っているとき、あるいはスピリチュアルジプシー(次から次へとセミナーを渡り歩く)に陥っているとき、信じてはいけないです。
確かに、お金がそのときなくても自分の収入以上の高額セミナーに参加したおかげでその後、ビジネスが成功し参加費用の元以上のものが得られた、
ということを語る人もいますが、これは誰にでもあてはまるわけではないです。
そういうこともあるかもしれないですが、ビジネスで成功する、あるいは教える側に立とうとして高いセミナーに参加する、という人は最初からやる気と情熱に満ち溢れています。
こういった人の場合はハングリー精神が旺盛なので自分が投資した以上のものを得ようと必死に頑張ります。
そして実際に何かしらの大きなリターンが得られるケースがあるかもしれないです。
それに対し、心が弱っていて何かに頼りたい、あるいはスピリチュアルジプシーに陥っているときは、自分が払ったセミナー代金以上に何かしらの大きなリターンが得られることはまず期待できないでしょう。
こういう場合は宇宙銀行?
をあてにするのではなく、お金が足りない、あるいは生活に支障をきたす、という状況ならば参加しない方がいいです。
お金が足りなくて、カードでキャッシングする、
というようなことは厳禁です。
利息が高いのはもちろん、あとで返済に苦しみます。
原則は収入と支出のバランスを守ることです。
心が弱っていて何かに頼りたい、又はスピリチュアルジプシーに陥っていると、1回だけのセッションで満足することはない。
大抵は次から次へとセッションを受けようとします。
「宇宙銀行にお金がありますよ。」
ということを信じて、たまに臨時収入が入ってくることがあるかもしれません。
が、それは毎回毎回起きることはないです。
サラリーマン、OLは月々の収入がほぼ決まっています(完全歩合給のバリバリの実力主義のサラリーマン、OLは除く)。
セミナーに参加するたびに毎回臨時収入が入ってくることを期待しない方がいいです。
宇宙銀行にお金がありますよ、という言葉を信じて、次から次へとセミナーへ参加していくと、借金地獄への道にまっしぐらです。
スピリチュアル参加費用が多くなりすぎて月々のお金の収支バランスが崩れると、仕事とのバランス、考え方のバランスも崩れます。
仕事よりもスピリチュアルを重視する、
友人との約束よりもスピリチュアルの集まりやつきあいを重視する、
というようになりがちです。
そうすると普段の生活での人間関係にも支障が出てきます。
これも自分自身の実体験でもあります。
スピリチュアルヒーラーに相談する、あるいはセミナーに参加する時、当たり前ですが相手にお金を払います。
お金が自分の所から出ていきます。
お金が自分の所に入ってくるためには仕事をしたり、あるいは人に何か役にたつことをする必要があります。
心が弱っていたり、スピリチュアルジプシーに陥っているときは、宇宙銀行からお金が出てくる、というような空想、妄想にふけって実際にお金が目の前にあるような錯覚におちいりがちです。
そうなると行動するテンションが下がってしまいます。
自営業であっても、同じで、あてもない仕事が入ってくるように錯覚してしまい、テンションが下がってしまうことがあります。
ましてや宝くじでの臨時収入、株やFXでの臨時収入はあてにしないことです。
参加する際は、自分の給料から必要な食費や通信費、必要な交通費、その他生活に必要な諸経費を引いて、残った金額でセミナー参加、というのが健全です。
例外として、どうしても参加したいものがあって、その時点では払うことができずにローンを組んででも参加したくなった場合は(高額すぎるのは除外します)、そのローンが終わるまでは他のセミナーへの参加はしない、あるいは他の消費を抑える、ということをすることを必ず守る、ということを誓った上での参加にすべきです。
一般の人がスピリチュアルセミナーに参加する際に重要なことをまとめると、
・セミナー参加費用は月々の必要経費を差し引いた残りの収入の範囲内にしておくこと
・お金がどこからかどっと入ってくる、ということはあてにしないこと。
・カード借金は厳禁
です。
借金は最初は少額から始まる
借金が増えるパターンは大体決まっています。
最初は少額から始まります。
例えば次のような感じになります。
スピリチュアル系セミナーに参加する際、どうしても参加したいが、今月5万円足りない。
5万円くらいだったらキャッシングすればいいだろう、と思ってATMで5万円を引き出す。
これが借金が膨らむ第一歩です。
たかだか5万円(といってもそこそこの金額でもありますが)と思うかもしれませんが、少ないカード借金だと感じてしまうことで収入の範囲を超えても使ってもよい、というような感覚になります。
そしてせっかくだからということで、他の集まりにも参加しようとしたら、5万円だけでは足りない、ということに気が付き、またさらに5万円をキャッシングする。
最初に5万円を引き出しているのでその時点で5万円くらいなら問題ないだろうということで気が大きくなってます。
そうなると次の5万円は感覚が麻痺しかけているので、それほど抵抗なくATMからキャッシングできてしまいます。
そうすると、カード借金分の10万円は1カ月後、又は2カ月後に支払いがきます。
が、その時点ならば何とかやりくりして一時的に返済するか、あるいは他の支払いをリボ払いにして返済額を少なくすることで何とかしのぎます(このリボ払いは非常に曲者です)。
そうするとまだキャッシング枠が残るため、まだ借金ができる。
こういうときは消費欲も旺盛になっているので一旦借金をしはじめるとなかなかセーブできず、最初は5万円だったのが、次は10万円、次は20万円、となり、これらの金額がたいしたことなくなっていきます。
こういったことを繰り返していくとどんどん借金が膨らみ、気が付いたらいつの間にかカード借金が100万円、200万円、300万円になってしまい、その月の支払いができなくなる。
ここまでになってやっと目が覚める、ということになります。
これは実際に自分自身が体験したことでもあります。
このようなケースは、借金が増えるパターンでよく聞く話です。
よくあるのがキャバクラに通うにつれて、どんどん借金が膨らんでいくケース、
あるいは会社の横領で、最初は少額の金額を不正でごまかし(これくらいならいいだろうと思って)、そのうちにそれが重なるとだんだん金銭感覚が麻痺して気が付いたら巨額の金額になっていた、
といって事件になるケース。
金額の規模や動機は違いますが、共通しているのは、最初のきっかけが、
「このくらいの少額ならいいだろう」
というところからです。
自分の体験上からも、世の中で問題となる様々な借金問題、詐欺の問題等を見ても、一番最初、ちょっとくらいオーバーしても、というように安易にお金を借りる、ということが破滅へ向かうきっかけです。
スピリチュアル系は金銭感覚が狂いやすい
金銭感覚は対象によって違ってきます。
東京→大阪の新幹線料金は指定席で約14700円、グリーン車で約19600円、差額が約4900円。
グリーン車にのると贅沢したなという気分になりますが、考えてみると片道だけなら約5000円アップしただけです。
これが高いとみるか安いとみるかは人それぞれなのですが、これがスピリチュアル系となると最初のうちは5000円の参加費用が高いなと思うのが、スピリチュアルジプシーになったり、いろいろなセミナーに参加すると、これが当たり前になってしまう。
そうなると1万円のセミナーや数万円するセミナーも参加できてしまう。
こうやって金銭感覚が日常での金銭感覚と違ってきてしまいます。
スピリチュアル系とは違いますが、キャバクラも金銭感覚がまったく違うかと思います。
初回はある程度安く設定されていますが、2回目以降になると、女の子にドリンクをおごらないでぎりぎり安くしようとして、1時間1万円くらいで収まれば安かったかなと思います。
ドリンクをおごろうとすると1時間であっという間に2万円、3万円いきます。
ボトルも安くても1万5千円。
高いものだと50万円や100万円近く。
キャバクラも金銭感覚が日常とまるっきり違います。
まるっきり違うジャンルの話しではありますが、金銭感覚が普段の生活とは違ってくる点に関して共通しています。
宇宙銀行がどうのこうの、という前に日常での収入と支出のバランスを保つこと、
は大切にした方がいいです。